インプラントimplant

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ドクターのためのインプラント解説

1.はじめに・・

このページはこれからインプラントを学ぼうとする歯科医師向けに編集しています。
インプラントの潜在需要は膨大であり、多くの歯科医師がこの治療に取り組む必要があります。
21世紀の現在でも、歯牙欠損を抱える多数の患者さんが、ブリッジや義歯で補綴されてしまうために、
そのGOLの低下を招いています。若い歯科医師たちにインプラント技術を伝え、
全国に普及していくことがこの治療に長年取り組んできた我々の使命であると考えています。
聖和会インプラントドクター達のセミナー内容に準じて編集してあります。
インプラントの歴史から述べていきますが、込められた先人の努力を忘れないで頂きたいと思います。
全国の医院での臨床指導を希望される方は、ウォークウェイ松井氏までお問い合わせ下さい。

聖和会が開発参加した プラトンインプラントタイプ。全国で広く臨床応用されています

2.近代インプラント以前の時代

骨膜下インプラント/ブレードインプラントの写真 現在の骨結合インプラントにたどり着くまで人類は幾多のトライアル&エラーを繰り返してきました。その例が、骨膜下インプラントやブレードインプラントです。長期的に機能しているものも少なくはないのですが、骨結合型の圧倒的な実績に比べると見劣りがします。これらのインプラントが使用されることは極めてまれですが、先人たちが努力を重ね、インプラントの発展に貢献してきた証でもあります。

ちなみに、骨膜下インプラントはフレームを顎骨上に乗せ、粘膜で覆う
方法です。顎骨の印象とフレーム設置の2回手術が必要でした。

ブレードインプラントは板状のインプラントを埋め込み即日印象を採得します。セラミック製よりも純チタン製が予後がよく、画像は術後22年経過しています。一般的に繊維性の結合を示しますが、この例は骨結合を獲得しているものと思われます。

3.ブレードプラントの欠点

サファイアブレードインプラント と周囲の繊維性組織像 ブレードインプラントは細い骨にも埋入できるという長所がありますが、予後はそれほど良くありません。とくに、かつて高頻度で使用されたセラミックインプラントは初期固定が弱いために、撤去せざるをえなかったことが多いとされています。
安静期間をおかないために、骨結合が起きないことが多く、その際には繊維性組織が増殖します。その結果として、感染したり、動揺したりしやすくなります。画像はサファイアブレードインプラントで、動揺しています。インプラントの周囲に繊維性組織が黒い層として認められます。20年以上前に植立されたそうですが、撤去することになりました。
この場合、まず、ブリッジを天然歯の遠心で切断します。次に、インプラントの逆T字の部分を切断して、L字にしてから骨内から撤去します。

4.インプラント新時代の幕開け

初期のBranemarkインプラント オッセオインテグレーションの概念が導入されたことによって、インプラント臨床は劇的に進化しました。オッセオインテグレーションは、骨統合と和訳されましたが、スウェーデン、イエテボリ大学のBranemark博士により発見され定義づけられたものです。純チタン製インプラントを埋入後、十分な安静期間をおくとチタンと骨が完全に結合するというものです。オッセオインテグレーションは光学顕微鏡下ではインプラントと骨の間に隙間がなく、完全に一体化しており、こうなると強い咬合力が加わってもインプラントは安定することが証明されました。形状も歯根型(ルートフォーム)になり、現在のインプラントの原型となっています。初期のBranemarkタイプは、表面が機械切削したままであったため、骨細胞の親和性が低く、骨結合の強度に劣っていました。その後、表面に凹凸処理されたインプラントが開発され、安静期間の短縮、生着率の向上、結合強度の向上が図られました。
写真は、初期のBranemarkインプラントで、現在の製品には様々な変更が加えられています。

5.初期のBranemarkインプラント

バイコルチカルサポートによるボーンアンカードフルブリッジ/左が直線配列・右がオフセット配列

初期のBranemarkインプラントは、機械切削しただけの表面性状であったため、骨との結合力が弱く、顎骨の上部と下部の2ヶ所の皮質骨(コルチカルボーン)で維持されました。インプラントの頚部と先端部の2箇所の皮質骨で維持されたわけで、これをバイコルチカルサポートといいます。左の写真は下顎前歯部のバイコルチカルサポートで、深い埋入が必要であることがわかります。
 また、咬合圧に対する抵抗性を高めるために、インプラントの配列を、直線上ではなく、少しずらした位置に、埋入されました。これをオフセット配列と呼びます。
この時代のBranemarkインプラントは、上顎総義歯に対応した下顎のボーンアンカードフルブリッジが中心で、適応症例が限られていました。

6.各種インプラントの登場

様々なタイプのインプラント

Branemarkの骨統合の概念をベースにして様々なインプラントが開発されていきました。純チタン製、歯根型でねじ山(スレッド)があり、表面に様々な処理が行われています。ワイヤー放電加工、プラズマスプレー、酸エッチング、陽極酸化処理、HAコーティングなどがその代表例です。
このようなハードウェアの進化によって、骨接触面積が増大し、埋入適応部位が拡大し、 インプラントの普及と発展が実現していきました。
聖和会がプラトンインプラントの開発に携わったのは丁度この頃で、10年以上経過した現在ではわが国の臨床家に最も支持されているインプラントのひとつに成長しています。

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